ごあいさつ

日本協同教育学会(Japan Association for the Study of Cooperation in Education 通称 JASCE)は2004年5月7日に設立されました。

 JASCEは「互恵的な信頼関係を基盤とした協同に基づく教育・学習環境の創造・実践・普及を通し、民主社会の健全な発展に寄与すること」を目的としています。

 協同教育では、学びという営みを社会的なものととらえ、その営みに参与する人たちによる協同を重視します。

 JASCEは、学びの深化・向上に向けた協同の質と量、両方を高め広げるための方法やそれを支える「協同の原理」を研究・開発する人たちの集まりです。あるいは、協同の原理に基づく教育活動(学びの営みに参加する人たち相互の信頼関係を背景に、互いの学びを支え合い、共に高まることを目的にした学習活動を生起・促進させる働きかけ)に職業的・学術的に関心を持つ人たちの集まりといってもよいでしょう。したがって、学校教育関係者に限った会ではありません。スポーツや芸術活動においても、また企業内の研修や学術的なプロジェクトにおいても、メンバーを信頼し、各々の役割を果たしながら全体としての目標を達成しようと取り組む活動の中には、巧まずして協同の原理が働いているのですから。

 むろん、協同という関わり方が自然発生的に認められたとしても、それだけで参加者たちの学びが豊かに、生産的になるとは限りません。協同に基づく良質な活動(=協働)には、それを支えるための個々人の技能や組織的な配慮が必要です。よりよい協働を促進する方法はさまざまにあるはずです。大人から子どもまで広く人間関係力の低下が問題視される今日、課題や領域に限定的な技法から相当に普遍的な原則まで、「協同」をめぐる研究はますます重要になっています。

 そこで私たちは、「協同」という言葉を鍵とする学際的な研究と教育のネットワークを作りたいと考えました。2003年11月18日には啓発的な情報交流の場として、インターネット上に「協同教育ネットワーク」を開設し、それを契機に研究者・実践者・企業家などさまざまな分野と職種の方が参加して2004年5月に本学会の設立に至りました。

本HPでは、協同教育やJASCEの設立について簡単に紹介しております。本学会の会則や具体的な活動予定を参照いただき、その趣旨を理解の上、私たちの試みに積極的に参加いただきますよう、お願い申し上げます。

日本協同教育学会は、日本学術会議協力学術研究団体です。